片岡鶴太郎さんの絵のタッチが好きです。
青魚のうろこの色が、淡い玉虫色に描かれた絵をみたとき、
子供のように素直だなという印象を持ちました。
とらわれた観念がなく自由で見ている側の心が解きほぐされる
ような心地になる。
そんな鶴太郎さんの本を読んでみました。
癒しの禅語
禅の30のことばと共に鶴太郎さんのことばが添えられている。
‘知足’のところでは、やっぱり絵の製作も腹七分というところが大事とあるが、
ふだんの生活の中でいつも実践していかないとうまくいかないのでないかと。
耳の痛い話である(笑)。
ヨガでたとえると、アサナをとるとき、身体に効かない甘やかしもできるし、
それとは反対に限界を超えるほど無理をしてしまうのもよくない。
その一歩手前のイタ気持ちいい中間的なところを探ることが大事。
自分のバランスを知るということから学べることは多いのだけれども、
腹七分ということを身につけるには、今の自分の状態をしらなければならなくて、
これまた深いなぁ。
そして、心の音色をどう表現していくか、線と色とでつむぎだし描いていると、
心のくすみは自然と洗い清められるという。
(この心の音色と表現されるあたりを読んでいると共感覚の持ち主??)
自身の選んだ道に三昧する姿は美しいですね。
常に自分が納得できる、喜ぶことを日々積み重ねていくという姿勢。
身近なところ、当たり前のことを正しおろそかにしない。
そういうところにその人の本質が隠されているのだろうと思う。
自分を律することで得られる平穏の大切さに気づかされる。
読み通してみると、知のある人という印象が色濃く残った。
禅とヨガ。目指すところは根本的には一緒。
ヨギ二としても、たいへん勉強になる本でした。